キッチンのレンジフード(換気扇)は、ご家庭のお掃除の中でも特に手間がかかる場所の一つです。
「油汚れがベタベタして落ちない」「掃除をしたいけれど分解の仕方がわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
今回は、大阪府堺市で創業40年の実績を持つ「株式会社クリーンマツヤ」の社長と、現場で日々油汚れと向き合っている職人が、レンジフード掃除の実態やご家庭でのお手入れの注意点をお伝えします。
市販の強力な洗剤を使う際のリスクや、便利なフィルターの適切な使い方、そしてプロが行う分解洗浄のメリットについて、客観的な事実に基づき詳しく解説します。
レンジフードの種類と油汚れが固まるメカニズム
現在一般のご家庭に普及しているレンジフードには、昔ながらのプロペラタイプと、深型や薄型のカバーの中に「シロッコファン」と呼ばれる円筒形の羽が入っているタイプの大きく2種類があります。
現在はシロッコファンタイプが主流となっています。
油汚れの程度は、ご家庭での料理の頻度によって大きく異なりますが、長期間掃除をせずに放置していると、油が酸化してカチカチに固まってしまいます。
油汚れがガチガチに固まっている状態というのは、油が酸化して下の塗装と溶け合ってしまっているようなイメージです。こうなると、ちょっとやそっとの洗剤では簡単には落とせなくなってしまいます。
強力な市販洗剤と金タワシを使う際の注意点
カチカチに固まった油汚れを落とそうとして、市販の強力なアルカリ性洗剤(マジックリンなど)を吹きかけ、金タワシや硬いスポンジで力強くこすってしまう方がいらっしゃいます。
しかし、この方法には素材を傷めてしまうリスクが伴います。

長い間浸け置きしても取れないからといって、金タワシなどで力任せにこすってしまうと、黒い塗装が剥がれて白くなってしまうことがよくあります。
下から覗いた時に塗装が剥げていると、見栄えが悪くなってしまいます。
油が酸化して塗装と一体化している場合、強い摩擦を加えると油と一緒に塗装まで削り取られてしまいます。
プロが作業を行う場合は、油の酸化状態や塗装の状態を事前に確認し、洗剤の濃度や浸け込む時間を緻密に調整します。素材が負けそうだと判断した場合は、あえて弱い洗剤を使用するなど、塗装を剥がさないための見極めを行っています。
ご自身でのお手入れでは、洗剤の強さや素材の耐久性の判断が難しいため、無理にこすりすぎないことが大切です。
不織布フィルターの適切な使用方法と放置するリスク
汚れを防ぐために、100円ショップやホームセンターで販売されている「不織布フィルター」を貼り付けているご家庭も多いと思います。

これらは表面への油の付着を遅らせる便利なアイテムですが、定期的な交換が必要です。
不織布フィルターは、毎月などこまめに交換できるマメな方には向いています。
しかし、長期間貼ったまま放置してしまうと、フィルターが油でベタベタに目詰まりしてしまいます。
そうなると、換気扇本来の「吸い込む」機能が低下してしまいます。
換気扇が適切に機能しなくなると、キッチンの周囲に影響が及びます。
レンジフードは本来、油や煙を吸収して周りを汚さないための設備です。フィルターが目詰まりして吸い込めなくなると、行き場を失った油煙が上に上がり、キッチンの天井や壁、冷蔵庫などがベタベタに汚れてしまう原因になります。
「汚したくないから」とフィルターを長期間放置することは、結果的にお部屋全体を油で汚してしまうことにつながるため注意が必要です。
換気扇の吸い込み低下と油の蓄積による影響
フィルターの目詰まりだけでなく、レンジフード内部のシロッコファンに油やホコリが蓄積することでも換気機能は低下します。
ホコリと油が詰まってくると、換気が機能しなくなります。
例えば、部屋で焼肉をした時に、換気扇が煙を吸ってくれないため、部屋の至るところに何日もにおいがこもってしまう原因になります。
さらに、長年お掃除をしていない場合は、蓄積した油が限界を超えることもあります。
全くお掃除をしていないご家庭では、内部の受け皿で受け止めきれなくなった油がガチガチに固まり、そこからタラっと油がポタポタ垂れてくることも実際にあります。
キッチンの壁がベタベタする、においが取れない、油が垂れてくるといった症状は、内部の汚れが一定の限界に達しているサインと言えます。
オキシ漬け(酸素系漂白剤)とプロの専用洗剤の違い
ご家庭でのお手入れとして、酸素系漂白剤を使った「オキシ漬け」が人気を集めています。
軽度な汚れには有効な方法ですが、長年放置された頑固な油汚れに対しては限界があります。
オキシ漬けで使用する酸素系漂白剤は万能洗剤としては優秀ですが、プロは油汚れに特化した専用の業務用洗剤を使用します。何年も放置されてガチガチになった油に対しては、市販の万能洗剤では表面しか反応せず、内部まで汚れを落としきれない可能性があります。
マツヤの職人は、状況に応じて最適な専用洗剤を選び、大きな容器にお湯(可能であればお客様宅でお借りします)を張ってシロッコファンなどのパーツを丸ごと浸け込みます。
水よりもお湯の方が洗剤の浸透が早く、効率よく油を浮かせることができるためです。
高所作業とシロッコファン取り外しの難易度
「洗剤が届かないなら、自分で分解して洗えばいい」とお考えになるかもしれませんが、レンジフードの分解には物理的な難しさや危険が伴います。
レンジフードの分解は、女性やご高齢の方には特に難しい作業です。
天板が非常に大きくて重かったり、シロッコファンが奥まった高い位置にあるため、脚立に乗らないと手が届かなかったりします。
無理な体勢で、片手でネジを回して外さなければならないことも多く、重い金属パーツを落としてしまったり、脚立から落下して怪我をするリスクがあります。
「昔は自分でやっていたけれど、年齢とともに怖くなったのでお願いしたい」というご依頼も非常に多いです。
ご家庭でのお手入れは、月に1回程度のフィルター交換や、手の届く範囲の外側の拭き掃除にとどめ、無理に分解しないことが安全です。
ご家庭での掃除とプロの掃除の比較表
| 掃除の方法・アイテム | 特徴・落ちる汚れのレベル | 注意点・リスク |
|---|---|---|
| 市販の強力洗剤 | 表面のベタベタした油汚れ。 | 金タワシなどで強くこすりすぎると、塗装が剥がれたり変色したりするリスクがある。 |
| オキシ漬け | 軽度から中程度の油汚れ。 | 何年も放置してカチカチに固まった酸化油には反応しきれないことが多い。 |
| 不織布フィルター | 表面への油の付着を遅らせる。 | 長期間放置すると目詰まりし、換気機能が低下。部屋全体に油煙が回る原因になる。 |
| プロの分解洗浄 | 固まった酸化油や、見えない内部の蓄積油まで落とす。 | 適切な洗剤と温度管理により、塗装を傷めるリスクを抑える。高所作業による転落の危険がない。 |
内部の完全リセットでその後のメンテナンスを簡単に
長年蓄積した油汚れは、ご自身で落としきるのは非常に困難です。
また、見えない部分に油が残っていると、そこから再び汚れが広がりやすくなります。
ご家庭で掃除をしようとしても、シロッコファンが入っているケースの縁など、細かい部分に油が残ってしまうことが多いです。
プロの作業ではそういった細部まで丁寧に油を取り除きます。

一度完全に油をリセットすることで、その後のご家庭でのお手入れも格段に楽になります。
完全にリセットした後は、こまめにフィルターを交換するなどの日常的なお手入れを行うことで、次の分解洗浄までの期間を長く保つことができます。
おわりに
キッチンのレンジフードは、構造が複雑で高所にあるため、無理をして怪我をしてしまったり、設備を傷めてしまったりするリスクがあります。
日頃の軽いお掃除はご自身でしていただき、自分では落とせないガンコな汚れや見えない部分の分解は、地元・堺市の頼れるお掃除のプロであるクリーンマツヤに一度ご相談ください。






